コーヒーメジャー 第2回
市販のコーヒーメジャー22本、柄の角度を測ったら全部ほぼ水平だった

前回、市販のコーヒーメジャーは「柄がボウルの縁とほぼ平行」だと書きました。
今回は、それを数字で確かめます。
何を測ったか
測ったのは、ボウルの縁に対して、柄が何度上を向いているかです。この記事では θ(シータ)と呼びます。
柄が縁と平行なら0°、上を向けばプラス、下に垂れればマイナスです。
手元に22本を買いそろえるのは難しいので、通販の商品写真を使いました。
楽天市場とAmazonの商品ページ約255件から、画像を約2,300枚集めて、真横から撮られているものだけを目で選びました。そのうえで、写真の上に線を引いて角度を読みます。
- 縁の楕円の左右の端を結んだ線 = 縁の面
- 柄の中心線に2点を取った線 = 柄
- この2本の差が θ
カメラが少し上から見下ろしている分は、縁の楕円のつぶれ具合から逆算して補正しました。それでも完全な真横ではないので、誤差は±3°くらいと見ています。
結果
| 測れた商品 | 22点(うち、斜め寄りで参考値が3点) |
| 柄の角度 θ | −8°〜+9°(真ん中の値は −1°) |
| ±2°以内に入った商品 | 半分以上 |
素材はステンレス・木・樹脂・陶磁器・真鍮まで、形もロングハンドルや薄い板の柄まで含めています。
それでも、全部が −8°〜+9° に収まりました。 価格帯や素材に関係なく、「柄は縁とほぼ平行」が業界の標準と言ってよさそうです。
いちばん上を向いていた製品でも+9°。薄い板や細い棒の柄は、逆に先が少し下に垂れていました(−4°〜−8°)。置いたときに、柄の先で支えるためだと思います。
水平な柄にも、ちゃんと理由がある
水平な柄が悪い、という話ではありません。
- 置いたときに安定する
- 重ねて箱に詰められる
- 金属のプレスや樹脂の成形が単純で、安く作れる
- すり切るとき、柄が邪魔にならない
どれも作る側・売る側にとっては大事な理由です。
ただ裏を返すと、「缶や袋から直接すくいやすい」を形で追った製品は、見当たりませんでした。
では、何度なら楽なのか
上の図は、缶の豆面が口から35mm下にあるときの様子です。
- 左:柄が0°(市販品の多く)。柄を缶の縁に通そうとすると、ボウルが約44°前に傾き、すり切り分が約3g減る
- 右:柄が33°。約10°前に傾けるだけで縁を越えられ、すり切り分は減らない
この「33°」がどこから出てきたのか。
次の回では、ボウルを何度傾けると豆がこぼれ始めるのかを計算します。