自作分割キーボード 第3回
ケースを3Dプリンタで刷る ― スイッチの穴は0.1mmで決まる

キーボードのケースは、自宅の3Dプリンタ(Bambu Lab A1)で刷ります。
ところが、最初につまずいたのは、ケースそのものではなく「スイッチを差す穴」でした。
ケースは3つの部品でできている
| 部品 | 役目 |
|---|---|
| トレイ | いちばん下の器。基板が中に入る |
| スイッチプレート | キースイッチを差して固定する板 |
| MCUカバー | 頭脳(Pro Micro)の上にかぶせるふた |
左右で1組ずつあります。全部刷ると、A1 でおよそ4時間10分、フィラメントは約141g です。PLA なら材料費は350円前後です。
穴が、全部きつかった
スイッチの穴の大きさは、規格では14mm前後です。
最初は 13.9〜14.3mm で試しに刷りましたが、どれもきつくて、スイッチが入りませんでした。
3Dプリンタは、設計した寸法よりも穴が少し小さく仕上がります。溶けた樹脂が、内側にわずかにはみ出すからです。
テスト片で、0.1mm刻みに確かめる
そこで、ケースを刷る前に、穴だけを並べた小さなテスト片を作りました。刷るのに15分、材料は4gです。
| 穴の目印 | 穴の大きさ |
|---|---|
| 刻み1本 | 14.3mm |
| 刻み2本 | 14.4mm |
| 刻み3本 | 14.5mm |
| 刻み4本 | 14.6mm |
| 刻み5本 | 14.7mm |
どの穴がどの大きさか、刷り上がりでも分かるように、穴の横に刻みを入れています。
スイッチを一つずつ差して、「パチッと留まって、ぐらつかない」穴を探しました。
結果は、刻み5本の14.7mm。設計の数字より、だいぶ大きい値に落ち着きました。
ここにたどり着くまで、テスト片は初めのうちだけで5回ほど刷りました。ケースを丸ごと刷り直すより、小さな板で何度も試すほうが、時間も材料もずっと少なく済みます。

本番はまだ刷らない
ケースの本番はまだ刷っていません。中に入る基板の形が決まってからにしています。
基板の形が少しでも変わると、トレイも作り直しになるからです。
次回は「基板を自分で描く」。トラックボールのせいで、左右で別の基板になった話です。