コーヒーメジャー 第4回
04
柄の形を5つ比べた。いちばん楽なのは「付け根を立ち上げる」形

前回までで、まっすぐな柄なら33°がいちばん楽、とわかりました。
でも、柄はまっすぐでなくてもいい。今回は、途中で曲げた柄も含めて5つの形を比べます。
比べた5つの形
ボウルはすべて同じ半球(すり切り25ml・約9.4g)、柄の長さも130mmでそろえ、柄の形だけを変えました。
| 案 | 形 | 負担(33°=1) |
|---|---|---|
| A | 水平(いまの市販品) | 2.84 |
| B | まっすぐ20° | 1.45 |
| C | まっすぐ33° | 1.00 |
| D | 段付き(付け根を25mm垂直に立ち上げ、先は15°) | 0.36 |
| E | くの字(付け根40mmを45°、先は10°) | 0.53 |
「負担」は、手首の曲がり・肘の上げ下げ・こぼれる量を合わせた数字です。小さいほど楽、という意味で読んでください。
缶の中でどうなるか

口の直径90mm・高さ150mmの缶で、豆面が口から20mm・40mm・60mm下にあるとき、すくった豆を持ち上げる瞬間を描きました。缶とボウルは手前半分を切った断面です。
すり切り分(約9.4g)に対して、何g足りなくなるか:
| 案 | 缶 20mm | 缶 40mm | 缶 60mm | 袋 60mm | 袋 90mm |
|---|---|---|---|---|---|
| A 水平 | −0.4g | −3.8g | −5.7g | −4.6g | −6.1g |
| B 20° | — | — | −1.6g | −0.4g | −2.5g |
| C 33° | — | — | — | — | — |
| D 段付き | — | — | — | — | −0.8g |
| E くの字 | — | — | −0.2g | — | −2.1g |
「—」は減らない、という意味です。
読み取れること
- A(いまの市販品の形)は、缶の豆が半分を切るとつらい。 豆面まで40mmで、すり切り分の4割(3.8g)が足りなくなり、すくい直しになります
- B(20°)でも大きく良くなる。 足りなくなるのは缶の底と袋の底だけ。いまの形に角度を少し付けるだけで、負担は約半分です
- C(33°)はどの深さでも減らない。 ただ柄が立っているので、運ぶときに手が高くなるか、ボウルを後ろに倒して持つことになります
- D(段付き)は、缶では減らず、手首の曲がりもいちばん小さい。 握る部分は15°と寝ているので、運ぶときも水平に近いまま持てます
- E(くの字)は C と D の中間。 曲げが浅いぶん、金属の曲げ加工や木の削り出しでは D より作りやすい
- 袋の底(90mm)はどれも苦手。 袋から直接すくうなら、柄の長さも一緒に考える必要があります
段付きの弱点
計算では D がいちばんですが、計算に入っていない弱点もあります。
- 置いたときに安定しにくい
- 重ねてしまいにくい
- すり切るとき、立ち上がりが缶の縁に引っかかるかもしれない
- 曲げが2回あるので、作る手間がかかる
このあたりは、実物を作って確かめるしかありません。
次は、刷って量る
ここまでの数字は、すべて計算です。
次は A・C・D・E の4本を3Dプリンタで刷り、実際の缶で、豆面まで20・40・60mmのときに10回ずつすくって、すり切ったあとの重さを量ります。表の「何g足りないか」が本当かどうかを、そのまま確かめられます。